漁獲水域から、調理現場まで魚の履歴を徹底管理。
マグロ・カツオをはじめとする鮮魚も、トレーサビリティシステムを導入することで、豊受大神に毎日朝夕奉納される神饌の食づくりのように、新鮮で安全なものだけが選りすぐられます。
生魚だから鮮度が高いというわけではありません。私たちは業界トップの冷凍技術により、自然のものを新鮮なままで、神饌への清らかな心とともに提供しています。また、その鮮度を現場でも保てるよう、テクニカン社製リキッドフリーザー『凍眠』を活用しています。
冷凍技術の進化は目を見張るものがあります。これまでの冷凍技術では、一度冷凍した食べ物が、とれたてや作りたての食べ物に比べて味が落ちるという問題がありました。それは、冷凍するときに食べ物の中で氷の結晶が大きくなり、細胞を壊してしまうことが原因。細胞が壊れると、解凍したときに栄養成分などが液体(ドリップ)となって外に流れ出たりするため、味や食感の変化が起きていました。
この問題を解決するために開発されたのが「急速冷凍」という技術。氷の結晶が大きくなる約マイナス1度からマイナス5度の温度帯を素早く通過させることで、氷の結晶の多くは大きくならず、細胞は壊れません。冷凍過程で細胞を傷つけることなく魚を凍結することができるため、解凍しても生の状態とほとんど変わらない魚の鮮度を最大限に保つことができます。
日本は1960年ごろからこの急速冷凍技術を船上でのマグロやカツオなどの冷凍保存へと実用化が進みました。水揚げ後もマイナス50度以下に低温保存することで、マグロやカツオの鮮度はさらに長持ちするようになり、おいしい刺身や寿司などの普及に貢献しています。
また、天然の魚には寄生虫がいる可能性があり、生食で食べるとこれに起因する食中毒などで、人に危害を与えることがあります。しかし、多細胞生物である寄生虫は冷凍することで死滅しますので、冷凍品ならば寄生虫症を予防することができます。